本記事は「ドルコスト平均法」についての記事になります。
書くキッカケとなったのは、妻が「投資をはじめたい!」と言い出したことです。
妻の投資への思いを少し紹介すると
- 簡単で失敗したくない
- 面倒くさくなくて放置ができる
- 投資の勉強はしたくない
- 準備できるお金はたくさんない
- 楽に老後資金のお金を増やしたい
一部「ちょっと虫のよすぎる話でしょう!」と突っ込みたくなる内容ですが「経験や知識不要!」「簡単!」「短期で儲からなくてもイイ!」と言うなら手法はコレ→「ドルコスト平均法」です。
いくら投資の勉強をしたくない!と言っても最低限、今回の投資「つみたてNISA」での投資をするにあたり妻にも「ドルコスト平均法」くらいは軽く知っておいてもらいたいと思い説明!
では、初心者の妻に説明した「ドルコスト平均法」の内容、私の相場状況毎のシミュレーション結果などまとめましたので紹介します。
ドルコスト平均法は初心者向き
まずは、ドルコスト平均法とは?から少し説明。
ドルコスト平均法は、時間を分散してリスクを減らして投資する簡単な投資法で、長期的な運用をする人、投資初期にまとまったお金がない人、投資経験の浅い初心者の人に向いている投資法です。
ドルコスト平均法の効果とは
- ドルコスト平均法は価格の変動する商品に対して常に一定金額を定期的に購入する手法で、価格が高い時には買付数量が少なく、価格が低い時には買付数量を多く買い付けるため、平均買付価格を低く抑える効果がある
今後、もし妻が投資を「つみたてNISA」だけじゃなく株、投資信託...と投資を広げたとしても、「価格が変動する金融商品の積立投資」であれば、どんな商品に投資しても使える手法です。
他にも、ドルコスト平均法には以下のようなメリットがあります。
- 買うタイミングに悩まなくてよい
- 下落局面で狼狽売りしずらい
- 基本は放置で問題ない
妻の希望通り(勉強不要、損しにくい、手間がかからない)の投資です。
そこで、ドルコスト平均法が「なぜ買うタイミングに悩まないのか?」「なぜ下落局面で狼狽売りしずらいのか?」「なぜ放置で良いのか?」を、途中で「もう投資なんてやめる!」と言い出さないように、シミュレーション例で説明しました。
なぜ買うタイミングに悩まない?
妻の思いは時間がかかっても損をせずに低リスクでお金を増やしたい!
もちろん、大前提は「楽」に!
そこで、どんな相場でもドルコスト平均法は最強なのか?
- 上下する相場
- 下がり続ける相場
- 上がり続ける相場
直近のマイナス局面でも慌てふためかないように、データを使ってシミュレーションしてみました。
シミュレーションは、半年間ある投資信託を定額購入(※ドルコスト平均法)と定量購入した場合で、それぞれどんな結果になるか?を検証した内容になります。
結論としては、基準価格が変わらず一定でない限り、どんな相場でも、価格が安いときにたくさん買うドルコスト平均法は「安い価格のウエイトが高くなる」ため安く買え、長期になればなるほどリスクが分散できる最強手法です。
シミュレーション:上下する相場
まずは、よくある「価格が上下する相場」のシミュレーション。
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基準価格 | 100円 | 125円 | 200円 | 75円 | 75円 | 100円 | |
定額 | 口数 | 150口 | 120口 | 75口 | 200口 | 200口 | 150口 |
金額 | 15,000円 | ||||||
定量 | 口数 | 150口 | |||||
金額 | 15,000円 | 18,000円 | 30,000円 | 11,250円 | 11,250円 | 15,000円 |
上記のように購入した場合、半年後の「購入口数」と「購入金額」の合計は以下となります。
- 定額購入合計:895口、90,000円
- 定量購入合計:900口、100,500円
その合計値から平均購入単価を計算し比べると、以下となります。
- 定額購入: 90,000円÷895口=約100.6円
- 定量購入:100,500円÷900口=約111.7円
定額購入である「ドルコスト平均法」の方が、1口あたりの平均購入単価は安くなりました。
シミュレーション:下げ相場
続いて「価格が右肩下がり相場」のシミュレーションです。
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基準価格 | 100円 | 90円 | 80円 | 70円 | 60円 | 50円 | |
定額 | 口数 | 150口 | 166口 | 187口 | 214口 | 250口 | 300口 |
金額 | 15,000円 | ||||||
定量 | 口数 | 150口 | |||||
金額 | 15,000円 | 13,500円 | 12,000円 | 10,500円 | 9,000円 | 7,500円 |
上記のように購入した場合、半年後の「購入口数」と「購入金額」の合計は以下となります。
- 定額購入合計:1,267口、90,000円
- 定量購入合計:900口、67,500円
その合計値から平均購入単価を計算し比べると、以下となります。
- 定額購入:90,000円÷1,267口=約71.0円
- 定量購入:67,500円÷ 900口=約75.0円
価格が上下する相場と同様、下げ相場でも定額購入である「ドルコスト平均法」の方が平均購入単価を安くすることができました。
シミュレーション:上げ相場
最後は「価格が右肩上がり相場」のシミュレーションです。
1ヶ月 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 4ヶ月 | 5ヶ月 | 6ヶ月 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
基準価格 | 100円 | 110円 | 120円 | 130円 | 140円 | 150円 | |
定額 | 口数 | 150口 | 136口 | 125口 | 115口 | 107口 | 100口 |
金額 | 15,000円 | ||||||
定量 | 口数 | 150口 | |||||
金額 | 15,000円 | 16,500円 | 18,000円 | 19,500円 | 21,000円 | 22,500円 |
上記のように購入した場合、半年後の「購入口数」と「購入金額」の合計は以下となります。
- 定額購入合計:733口、90,000円
- 定量購入合計:900口、112,500円
その合計値から平均購入単価を計算し比べると、以下となります。
- 定額購入: 90,000円÷733口=約122.7円
- 定量購入:112,500円÷900口=約125.0円
右肩上がりの相場でも定額購入である「ドルコスト平均法」の方が平均購入単価を安くすることができました。
シミュレーションした3つのどんな相場でも、定量より定額の「ドルコスト平均法」が平均購入単価を安くできたという結果になりました。
なぜ狼狽売りしずらいのか?
ピンチはチャンス!
通常の投資では下落相場はピンチだが、積立投資の「ドルコスト平均法」ではチャンスになる。
ドルコスト平均法は、常に一定金額を定期購入する手法なので、先ほどのシミュレーションからもわかるように、価格が低い時に多く買い付けた口数は、価格も戻った時にリターンとなる!ので、ドルコスト平均法の場合、リターンを増やすのは「下落局面!」ということです。
下落局面は狼狽するのではなく、逆に下落局面になってラッキー~!と、喜べるタイミングです。
もちろん「繰上償還」などされない商品へ投資することが大前提です。
なぜ放置で良いのか?
放置すればするほど(※長期になるほど)リスクが下がるのが「ドルコスト平均法」です。
今、世の中では「戦争」「新型コロナ」「インフレ懸念」などいろいろあり短期間では値動きが大きくなっていますが、長期で考えれば短期の値動きなんて小さなことです。
たとえばS&P500への投資(※eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)など)、過去には20%を超える下落が何度もあったにも関わらず、長期でみれば下落を上回る勢いで右肩上がりに成長してきました。
1年、2年の値動きに翻弄されず、10年、20年の長期で投資を継続するために「ドルコスト平均法」のことを少し知った方が良いと思い、妻に説明しました。
おかげでマイナスを見ても、今のところキレてません。
ドルコスト平均法のマイナス面
では「最強!」とも思える「ドルコスト平均法」にもマイナス面が少しだけありますので、リスク(デメリット)についても紹介します。
リスクが低い分リターンが少ない
一般的にリスクとリターンの関係は「リスクが大きいほどリターンが大きく、リスクが小さいほどリターンが小さい」という傾向がある。そのため、大きな収益を得ようとするとリスクが大きくなり、逆に大きな損失についても覚悟しなければならない。
そんなリスクとリターンの関係から言えば、ドルコスト平均法は「価格変動リスクを時間軸分散により抑えて投資する手法」なので、相場の動きを予測して狙いを的中させて投資する「タイミング投資」に比べるとリターン(※利益)は少なくなります。
購入回数を多くすればするほど価格変動のリスクを抑えることができ、長期の運用(※20年以上)にもなると負ける可能性はかなり低くなります。
右肩下がりで売却するとマイナス
どんな投資でも相場の展開、売却タイミングによってはマイナスになる可能性があります。
ドルコスト平均法についても例外ではありません。
ドルコスト平均法はあくまで「下落したあとで相場が回復して値上がりする」ことが前提の投資法なので、ドルコスト平均法でマイナスになる例としては、右肩下がりの相場で下がったまま投資をやめた場合などです。
狙ったタイミングで投資できない
ドルコスト平均法は「価格の変動する商品に対し常に一定金額を定期的に購入する」という手法なので、「安いタイミングで一括購入」した場合や、「右肩上がりで価格が上昇」し続ける場合などの投資では不利です。
ただ、そんなドルコスト平均法でもリターンを大きくする(リターンが大きくなる)ことはあります。
それが「価格の下落局面」です。
相場の下落局面に「多く買えるチャンス」と捉えて買い続けることで、相場の回復した時には安く買えた分リターンとなります。
ドルコスト平均法は初心者最強!
最後、私の「ドルコスト平均法」で投資した投資体験談を紹介して終わりたいと思います。
過去の投資で「ドルコスト平均法」の恩恵があった投資は以下です↓

ズッとマイナス続きの投資でしたが、徐々にプラスに転じるようになってきました。
将来上がると思うので、長い目でみれば今の買い付けはリターンになると考えています。
ではまた。