「投資信託は、ガチホしていればいつか上がる」
そんなインデックス投資の常識が通用しない世界があります。
それが、あらかじめ終わりの日が決まっている「期限付きファンド」です。
今回、私は償還期限を見落として購入してしまった「テーマレバレッジ ブロックチェーン2倍」を、あえて売却せずに「満期償還」まで持ち続けるとどうなるのか?を身をもって検証してみました。

出口戦略をミスしたことで直面した休場日の罠や、基準価格の不可解な挙動、そして最終的な結果まで、備忘録兼、私自身の「自分への戒め」としてまとめました。
狂乱の2021年に生まれた投資信託
今回の主役である「テーマレバレッジ ブロックチェーン2倍」は、ブロックチェーン関連企業の株価にレバレッジをかけ、日々の値動きの2倍を目指すという、かなり「攻めた」商品です。
運用が始まった2021年6月当時は、まさに暗号資産ブームの絶頂期でした。
- エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用
- 米国初のビットコイン先物ETFが上場
- Facebookが「Meta」へと社名を変更
とにかく「これからはブロックチェーンの時代だ!」というニュースばかり。
私も「これ、かなりの確率で勝てるんじゃね?」って本気で思って飛びついた一人です。

構成銘柄とセクター
2025年12月時点の最新レポートを見ると、投資対象はコインベースやストラテジー、マイニング用半導体企業、暗号資産決済など、仮想通貨の価格にモロに影響を受ける銘柄ばかり。

ちなみに現在のビットコインは、2025年10月の最高値から半値近くまで下落し、2025年04月ごろの水準まで一気に逆戻りしています。

この「レバレッジ×テーマ株」の破壊力は、完全に悪い方へと裏目に出てしまいました。
初めての「満期償還」体験談
ここからは、実際に初めて「満期償還」という出口を迎えた、私の体験を紹介します。
私の「戒め」を兼ねて...
償還期限を見落とした代償
そもそも投資信託の終わり方には、大きく分けて2つのルートがあります。
- 満期償還: 最初から決まっていた期間まで走りきって、予定通り終了
- 繰上償還: 資産が減りすぎて運用継続が困難になり、途中で強制終了
今回の「ブロックチェーン2倍」は予定通りの満期終了。
なのですが、正直に言うと、このファンドを買うときに償還期限(2026年3月27日まで)があることを完全に見落としていました。
「待っていればいつか上がる」というインデックス投資の感覚で放置していましたが、期限付きルールの前では、放置はただの「終了へのカウントダウン」でした。
2026年2月7日時点では、評価損益がマイナス25.89%という笑えない状態に。
- 保有口数:35,368口
- 基準価格:10,477円
- 取得価格:14,138円
- 評価損益:-12,948円(-25.89%)
満期償還の「おトク」が無い!
せめて満期まで待てば、強制終了する「繰上償還」と違って何かメリットがあるのでは?と思い、必死に調べてみました。
すると「満期まで持てば、信託財産留保額(解約手数料)がかからないケースが多い」という地味な光を発見!したのですが...
そもそもこのファンド、最初から手数料なしの設定。
メリット、1ミリもありませんでした。
身動きが取れない「休場日の罠」
こうなったら「もう損切りだ!」と動こうとしたら、さらなる罠が。
ファンド概要を見ると、2月が「休場日」だらけだったんです。
2/5、6、9、10、12、13、16、17、18、19、20、26、27と、すべての営業日が休場扱い。

通常、注文の2営業日後に約定されますが、ずっと休場なので今から動いても約定は2月26日、受渡は3月6日。

「どうせ来月になるなら、いっそ初の満期償還がどうなるか、最後まで見届けてやろう!」と、半分やけっぱちでホールドを決めました。
満期目前(一週間前)の状況
いよいよ償還まであと一週間。
現在の状況を整理すると、まさに「まな板の上の鯉」です。
- 売却申込:2026年3月23日まで
実は、2月27日から基準価格の変化がなくなっています。

「え、今上がってるの?下がってるの?」と全く分からず、「このままの価格で決済されるの?」と、と不安ばかりが募ります。
ビットコインは2026年2月7日より少し持ち直していますが、出口のタイミングを自分でコントロールできないのは、思った以上にストレス。

ついに迎えた「満期償還」
そして2026年3月27日、ついに運命の日を迎えました。
終盤の基準価額と純資産の動きを追いかけると、なんとも言えない「店じまい感」が漂っています。
| 日付 | 基準価格 | 前日比 | 純資産総額(百万円) | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 2026.02.20 | 11,594 | |||
| 2026.02.24 | 11,355 | -239 | 372 | |
| 2026.02.25 | 11,643 | 288 | 382 | |
| 2026.02.26 | 11,952 | 309 | 392 | |
| 2026.02.27 | 11,873 | -79 | 365 | |
| 2026.03.02 | 11,872 | -1 | 364 | |
| 2026.03.03 | 11,872 | 0 | 364 | |
| 2026.03.04 | 11,872 | 0 | 364 | |
| 2026.03.05 | 11,871 | -1 | 358 | |
| 2026.03.06 | 11,871 | 0 | 356 | |
| 2026.03.09 | 11,871 | 0 | 351 | |
| 2026.03.10 | 11,870 | -1 | 347 | |
| 2026.03.11 | 11,870 | 0 | 344 | |
| 2026.03.12 | 11,870 | 0 | 342 | |
| 2026.03.13 | 11,870 | 0 | 340 | |
| 2026.03.16 | 11,870 | 0 | 338 | |
| 2026.03.17 | 11,869 | -1 | 334 | |
| 2026.03.18 | 11,869 | 0 | 334 | |
| 2026.03.19 | 11,869 | 0 | 322 | |
| 2026.03.23 | 11,869 | 0 | 321 | |
| 2026.03.24 | 11,868 | -1 | 317 | |
| 2026.03.25 | 11,868 | 0 | 313 | |
| 2026.03.26 | 11,867 | -1 | 307 | |
| 2026.03.27 | 11,867 | 0 | 306 | 満期償還日 |
最終的な運用結果
最終的な状況は以下の通りとなりました。
- 約定日:2026年3月27日
- 保有口数:35,368口
- 受渡日:2026.03.31
- 基準価格:11,867円
- 取得価格:14,138円
- 売却決済金額:41,973
- 評価損益:-8,031円
結果は、マイナス約8,000円でのフィニッシュ。
償還まで放置を決め込んだ2月頃の「-25.89%」という数字に比べれば、少しだけ基準価額が持ち直してくれたおかげで、被害は最小限で済んだ...と言えるかもしれません。
まとめ:今回の体験から学んだこと
今回の失敗からは、多くのことを学びました。
償還日が決まっている投資信託において、インデックス投資の常識である「ガチホ」は、ただの終了へのカウントダウンでしかありません。
「こんなことなら、基準価額が変化しなくなった頃にさっさと売っておけばよかった...」
そんな後悔も含めて、今後はしっかり「期限」を確認し、同じ過ちを繰り返さないよう肝に銘じたいと思います。
約半年の保有でしたが、これにて「ブロックチェーン2倍」完走です。
