このブログ記事では、2つの「ゴールドプラス」投資信託について、自分の投資メモとしてまとめています。

2つのゴールドプラス「Tracers S&P500ゴールドプラス(通称:ゴルプラ)」と「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス(通称:ゴルナス)」について、概要や特徴、私が投資を決めた経緯や理由、実際の投資を通じて感じたことなどをまとめています。
Tracersのゴールドプラスとは
Tracers(トレイサーズ)は、日興アセットマネジメント(※2025年9月に社名をアモーヴァ・アセットマネジメントに変更)が運用するパッシブ型の投資信託シリーズです。
シリーズ名の「Tracers」は、「なぞる」という意味である「Trace(トレース)」から来ており、あらかじめ定めた独自のルールに従って運用する仕組みです。
そんなTracersシリーズの中で、これまでにない魅力を持っているのが「ゴールドプラス」です。
ゴールドプラスは、「米国株式指数」と「有事の金」を組み合わせて運用するファンドです。
2種類のゴールドプラス
現在、ゴールドプラスは2種類あります。
- Tracers S&P500ゴールドプラス(通称:ゴルプラ)
- Tracers NASDAQ100ゴールドプラス(通称:ゴルナス)
ベースとなる指数の違い(S&P500、NASDAQ100)はありますが、どちらも「株式100%+金100%=合計200%」の2倍レバレッジ型ファンドで、株式市場が好調な時は株の伸びを取り込み、株式市場が不安定な時は金が守る、そんな分散効果を狙っています。
ゴルプラ・ゴルナスについて
2025年10月11日時点、私の投資口座(SBI証券)で確認できる基本情報は以下となっています。
| ゴルプラ | ゴルナス | |
|---|---|---|
| 設定日 | 2022.08.31 | 2025.01.24 |
| 決算頻度、決算日 | 年1回、7月8日 | 年1回、10月10日 |
| 信託報酬 | 0.1991% | 0.2189% |
| 投信マイレージ | 0.05% | 0.05% |
信託報酬はゴルナスのほうがやや高めですが、人気ファンドである「iFreeNEXT FANG+インデックス」の信託報酬(0.7755%)と比べて低く、全体的にコストはかなり低水準です。
SBI証券で投資をすると、どちらも「投信マイレージ(ポイント還元)」の対象となるファンドです。
過去の米国指数と金の値動き
S&P500、NASDAQ100、金(Gold)の過去1年間の価格は、
- S&P500指数:約26%の上昇
- NASDAQ100指数:約27%の上昇
- 金(Gold):約34%の上昇
と、いずれも堅調に推移しています。
過去5年・10年で見ても、株も金も右肩上がりで推移し、特にNASDAQ100は大きく上昇しています。


リスク分散という観点で、この組み合わせは理にかなっていると感じます。
新NISAでは買えないけど...
ただ、ゴールドプラスは「レバレッジ型ファンド」に分類されるため、新NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」では投資できません。
そのため、私はサテライト口座であるSBI証券で投資しています。
ゴルプラがNISA(非課税口座)で投資できないのは残念ですが、過去の運用成績を検証した結果、それでも投資するメリットがあると感じました。

他の投資信託と比べてみた
人気のレバレッジ型投資信託には「iFree レバレッジ FANG+(レバFANG+)」や「iFree レバレッジ NASDAQ100(レバナス)」には私も投資をしてきました。
そこで、それらの人気ファンドとゴールドプラスを比べてみました。
| ゴルプラ | ゴルナス | レバFANG+ | レバナス | |
|---|---|---|---|---|
| 基準価格 | 24,310円 | 10,000円 | 31,979円 | 27,876円 |
| 信託報酬 | 0.1991% | 0.2189% | 1.275% | 0.99% |
| 投信マイレージ | 0.05% | 0.05% | 0.1% | 0.1% |
ゴールドプラスは圧倒的に信託報酬が安いのが特徴。
レバ投信は一般的に長期投資に不向きと言われますが、金の組み入れによってリスクがやわらぐ分、長期保有も視野に入ると感じているので、このコストの低さは魅力です。
リターンはどうなのか?
とはいえ、信託報酬が安くてもリターンがなければ意味がありません。
ゴルナスは運用開始から日が浅いものの、ゴルプラは2年以上の実績があります。
そこで、ゴルプラの運用開始から現在までの期間リターンも比べてみました。

これまでの推移を見ると、レバFANG+ほどの爆発力はないものの、レバナス並みかそれ以上のリターンがあり、しかも値動きが比較的安定して「攻めすぎないレバレッジ投信」という印象。
さらに、直近1年のチャートでもゴルプラは堅調な値動きです。

ゴールドプラス投資を決めた理由
ゴルプラ(兄弟ファンドのゴルナス)への投資を決めた理由は、以下の3点です。
- 信託報酬が安い
- リターンが安定している
- 株と金の値動きが逆方向に動くことでリスクが抑えられる
この「金を組み合わせたレバレッジ型」という構成が他にはなく、面白いと思ったのが最初のきっかけです。
オルカン(オールカントリー株式インデックス)とは違う分散で、「これは試してみたい」と感じました。
オルカン外しの理由とゴルプラとの違い
以前、オルカンを積立対象から外した理由は、「結局、米国がダメなら世界全体も引きずられるだろう」と思ったこと。
さらに、「新興国が足を引っ張る可能性もあるな」とも感じていました。
それに対して、ゴールドプラスは「米国株+金」という組み合わせ、この2つは意外と相性が良さそうです。
実際、過去のチャートを見ても、ゴールドが株の下落局面を緩和している場面が多い。
ゴールド組み入れによる効果
レバレッジ型ファンド(たとえばレバナス)の課題の一つに、対象指数のボラティリティ(変動幅)が大きいほど、基準価額が時間とともに目減りする「逓減」という特徴があります。
そこで注目したのが、ゴルプラに組み込まれている金(ゴールド)です。
金は株式市場との相関が低く、株が下落する局面で上昇しやすい傾向があります。
このため、以下のような効果が期待できます。
- 分散効果:異なる資産の値動きが補い合い、全体のボラティリティ(変動)が抑えられる
- インフレヘッジ/安全資産効果:地政学リスクやインフレ時に「有事の金」で買われやすい
こうしたバランスが、株式市場の調整局面での“クッション”になっているように感じます。
追記↓
実際、「直近でFANG+をしのぐパフォーマンス」となっているのも、株の上昇にレバレッジを効かせつつ、下落局面で金が支えてくれるからだと思います。

結果として、単独指数のレバレッジ型よりもリスクが抑えられ、長期投資向きだと考えています。
最初に買った時の状況
ゴルプラ(Tracers S&P500ゴールドプラス)は、2024年10月25日から毎日300円で積立投資をスタートしました。
その後、設定を何度か見直しつつ、現在は約3か月が経過。
いまのところ、運用成績はプラスです。

さらに先週末からは、兄弟ファンドのゴルナス(Tracers NASDAQ100ゴールドプラス)も積立を開始。
資金面の都合もあり、保有していた「auAMレバレッジ NASDAQ100」を解約し、まずは2万円だけスポット購入。
今後は、月2万円の小遣いをゴルプラ・ゴルナス・レバFANG+の3つに均等配分。
毎日、333円ずつの積立(合計1,000円/日)で、月あたり約2万円の設定です。
基本的には値動きを細かく追わず、ほったらかし投資です。
売却のタイミングについて
ゴルプラ・ゴルナスは、レバレッジ型としては珍しく、長期投資も視野に入れられる銘柄だと思っているので、今のところ売却は考えていません。
目標は、定年後の遊び資金作りなので、定年ギリギリまでコツコツ積立を続ける予定です。
もちろん、今後のリターン次第では見直すかもしれませんが、基本スタンスは「長期・積立・放置」で、時間を味方につけて育てていくつもりです。
投資を通じて感じたこと
ここからは、投資をしながら感じたことや気づきを、気が向いたときに書いていこうと思います。
相互関税ショックで感じた“ゴールドプラスの力”
2025年4月、トランプ政権が発表した「相互関税」により、株式市場は大きく急落しました。
直近高値からの下落率(2025年4月13日時点)をまとめると、以下の通りです。
| 株価指数 | 状況 | 下落率 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 大調整 | -16.62% |
| TOPIX | 調整 | -12.06% |
| グロース市場250 | 調整 | -8.84% |
| NYダウ | 調整 | -10.67% |
| ナスダック | 大調整 | -17.10% |
| S&P500 | 調整 | -12.71% |
| ラッセル2000 | 暴落 | -25.93% |
この大きな下落相場の中で、ゴールドプラス(ゴルプラ/ゴルナス)の安定感が際立ちました。
一番最後に運用を開始した「ゴルナス」を基準にして、運用開始から現在までの期間でリターンを見ると、同じNASDAQ100にレバレッジ投資するレバナスが約32%下落したのに対し、ゴルナスは約13%の下落にとどまりました。

また、「ゴルプラ」の運用開始から現在までの期間で見ても、

- レバFANG+:約170%のプラス
- レバナス:約46%のプラス
- ゴルプラ:約115%のプラス
という結果に。
リターンと安定性のバランスで見ると、ゴルプラの堅実さが際立っていると感じました。
さらに、直近1か月の下落局面を見ても、レバナスやレバFANG+が大きく沈む中、ゴルプラ・ゴルナスの下落幅は明らかに少なく、同じ指数に連動するノーマル型ファンドよりもダメージが小さい。
↓レバナスやレバFANG+との比較

↓同じ指数(S&P500やNASDAQ100)に連動する人気ノーマル投資信託との比較

この経験から、ゴールドの組み合わせが持つ“守りの強さ”を実感し、リターンだけでなく、リスク面でも魅力的な商品だと感じました。
NISAの優等生 vs ゴルプラ
ゴールドプラスはレバレッジ型のファンドのため、新NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」では投資できず、私はサテライト口座であるSBI証券で投資しています。
ゴルプラって、NISAでは買えないけど、実はかなり「美味しい投資」なんじゃない?
一般的に「レバレッジ投資は長期には向かない」と言われますが、ゴルプラに投資を始めて約9ヶ月、今のところとても順調です。
そこで、NISA口座でも人気の高い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(以下、eMAXIS S&P500)と、最近人気の上がっている「iFreeNEXT FANG+インデックス」(以下、FANG+)、と比較してみました。
比較期間は、ゴルプラの運用が始まった2022年8月30日から現在までの約3年弱。

- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・+74.39%
- Tracers S&P500 ゴールドプラス・・・+179.13%
- iFreeNEXT FANG+インデックス・・・+201.28%
結果はなんと、ゴルプラが+179%、FANG+は+201%!
S&P500の王道が+74%でも十分すごいのに、それをはるかに上回るリターンを叩き出しているのは驚きです。
特にFANG+の爆発力は圧倒的。
GAFAM中心の構成だけあって、上昇局面では一気に跳ね上がります。
ただし、注目すべきは直近6か月の動き。
FANG+がS&P500を下回る期間もあった一方で、ゴルプラは常に上回っていました。

S&P500とゴールドの組み合わせが、安定した高リターンを生み出しているように感じます。
このデータを見たとき、正直「NISAでは買えないけど、十分魅力的な投資じゃないか?」と思いました。
もちろん、レバレッジ商品なのでリスクはありますし、たまたま良い時期という可能性も否定できません。
でも、未来のことは誰にもわからないので、だからこそ「迷うなら少額でもやってみたい」と思っています。
今後も、ゴルプラ・ゴルナスの積立をコツコツ継続していくつもりです。
noteでの発信について
最近は、本ブログでは銘柄メモや投資信託のまとめ記事を中心にし、投資日記的な内容はnoteで更新しています。
今後は、投資日記的なことはnoteで書いていこうと思いますので、もし興味があればこちらを。

