では最終回となる今回は、いぼ痔(痔核)の手術について話したいと思います。
私自身、痛みにはそれなりに強い方だと思っていますが、小心者な一面があります。
これまでの人生は体が丈夫だったため、入院や手術の経験はありませんでした。
前夜は、恐怖心で心臓はバクバクし、熟睡することができませんでした。
頭の中には手術のことばかりが巡っていました。
2週間前までは、「いぼ痔」に悩まされても「棺桶までイボ痔を持っていく!」と決めていたのに、突然、初めて肛門科を受診することになり、手術の前日には人生初の大腸検査も経験し、あっという間に手術当日を迎えることになりました。
残すは最後の難関は「手術だけだ」と思っていたら大きな間違いでした。
いぼ痔の手術の痛みや手術そのものへの恐怖心などは、術後の苦しみと比べれば取るに足らないものでした。
この記事では、手術経験者である私が「いぼ痔の手術体験談」という形で、手術後の辛さについて紹介します。
もしも「いぼ痔」の根治手術を控えている方がいらっしゃるのであれば、私の体験談が心の準備の参考になれば幸いです。
いぼ痔の手術当日でも食事あり!
ついに手術当日がやってきました。
手術が控えているということで、当然のことながら手術前も手術後も食事は食べられないと覚悟し、昨晩の食事が最後だと思っていましたが、嬉しいことに軽い朝食を食べることができました\(^o^)/
わずかな朝食でしたが、それでも食べられたことはとても嬉しいスタートとなりました。
チョットの朝食でも食べられたのはかなり嬉しいはじまりです。
ちなみに朝食のメニューは以下の通りです。
- ミルクパン2個
- リンゴジャム
- パックジュース
- コンソメスープ
手術後、いつから食事できるようになるのかわからなかったので、とにかく少しでも食べられたことに感謝です。
そして、朝食を終えて少し時間が経つと、いよいよ手術の準備が始まります。
いぼ痔の手術準備
準備としては以下のような項目があります。
- 浣腸
- 剃毛
- 点滴、痛み止め、手術の説明
大腸検査をしていたので浣腸ナシ
通常、手術前には浣腸が行われることになっていますが、私は前日に大腸検査を受けたため、お腹が空っぽだという理由で浣腸から逃れることができました。
得した気分です\(^o^)/
手術前の剃毛もあっさりクリア
私は、今回の手術で一番嫌だったのが「剃毛」です。
手術よりも嫌だと思っていました。
入院前にネットで調べた情報では、「ち〇ち〇をつまんで剃られる!」といった書き込みもあり、反応したらどうしよう(T_T)とか、人に見られるなんて恥ずかしい(T_T)と、不安に思っていましたが、それはまったくのデマでした。
実際には「シムス体位」と呼ばれる体勢をとり、肛門周辺の毛を少し剃るだけで終了です。
「くすぐったい!」や「イチモツをつままれる!」なんてことはまったくなく、わずかに冷たさを感じる程度で、数十秒で終了しました。
いぼ痔の手術で一番嫌だった「剃毛」も、あっさりクリアです。
麻酔のための麻酔って何?
そして、剃毛の後は点滴や背骨への痛め止めシールの貼り付け、手術の予定時刻の説明が行われました。
点滴は、抗生剤や栄養剤などが計5本用意されていました。
最初の1本は処置室で行い、2本目以降は自分の病室で点滴を受けることになります。
また、痛み止めのシールが背骨に貼られ、下半身の麻酔による痛みを和らげるための準備をされました。
手術の予定時刻は午後2時30分からです。
下半身の麻酔に対しては、少し怖さを感じていましたが、痛み止めのシールによって痛みが和らぐのだと説明されました。
痛みを和らげるための麻酔ってなんや~どんだけ痛いねん(T_T)
そんなことを考え、点滴の5本を終えると、心臓はどきどきと落ち着かず、なかなか落ち着かない状態でしたので、フロアをぶらぶらと歩き回りました。
すると、突然看護婦さんが声をかけてきて「予定が早まったので、すぐに手術室へ向かいましょう!」とのこと。
心の準備がまだ整っていないまま、手術室への移動となりました。
いぼ痔の手術体験談
手術室に入ると、最初に下半身麻酔が行われました。
下半身麻酔の感想
入院する前に、私は「剃毛の次に嫌だなぁ」と思っていたのが、下半身麻酔でした。
同僚から入院前に、下半身麻酔は「すごく痛い!」と聞いていて、正直言ってかなりビビっていました。
そんな心境の中、看護婦さんたちが2人がかりで力強く押さえつけてきました。
あまりにも力いっぱい押さえられたので、心の中では「ええっ?!」とガクガク震えながら麻酔を打たれました。
しかし、手術前に貼られた痛み止めシールのおかげだったのか、看護婦さんの技術が高かったのか、ほとんど痛みを感じず、驚くほどあっさり下半身麻酔は終わりました。
麻酔は、打ったら数秒で効果が現れ、足が痺れたと思ったら何も感じ無くなりました。
その後、手術台でうつ伏せに寝かされていたため、はっきりとは見えませんでしたが、お尻を左右にガムテープのようなもので開かれ、肛門が完全に開かれた状態にされました。
そして、手術の始まりです。
手術中の感想
手術中は、幸いにも麻酔が効いているため、痛みはまったくありません。
しかし、手術中は最初から最後まで内臓をかき回されているような感覚で、かなり気持ち悪くなります。
吐き気を感じるほどです。
ただ、その他の面では手術中は比較的落ち着いていました。
看護婦さんが話しかけてくれることで心が落ち着き、私の手術を受けた病院では手術室に音楽が流れていたため、緊張感があまりありませんでした。
たまにジージーという電気メスの音が聞こえるくらいでした。
手術自体は数十分で終了します。
手術が終わると看護婦さんが股間のあたりでゴソゴソ始めました。
下半身麻酔が残っているため、トイレに行くことができないのです。
そこで、尿管をイチモツから挿入することになりました。
そして、そのままの状態で手術台からベッドに移り、病室へと移動です。
手術後は病室で手術結果の説明
病室に戻り、しばらくすると先生が手術結果の説明にやってきました。
手術結果は、合計3ヶ所のイボ痔が見つかりました。
そのうちの1つ(後ろのイボ)はかなり大きかったのですが、無事に全て取り除くことができ、無事、手術は成功したとのことです。
先生からは、「麻酔が切れるまでは絶対に安静にしてください!テレビも見ないでください」と念を押されました。
ここからは退屈な時間が始まります。
目を使ってはいけないのか、と不安に思いましたが、とりあえず持参していた「iPod」で音楽を聴きながら時間の経過を待つことにしました。
いぼ痔の手術は終わった~\(^o^)/
全ての難関をクリアしたと思ったら、新たな難関が待ち受けていました。
しかも、それはまさにエベレスト級の「激痛」体験です。
いぼ痔の手術、数時間後の感想
手術が終わった数時間後、これまで経験したことのない激痛が私を襲いました。
術後4時間頃の麻酔が切れるとき
最初の激痛は、手術からおよそ4時間後、麻酔が切れ始めた瞬間です。
徐々に足に感覚が戻り始め、これまで経験したことのない激痛が私を襲いました。
肛門をメスで切られたのだから、当然のことかもしれませんが、想像以上の痛みです。
痛みが我慢できず、すぐに看護婦さんに助けを求めました。
しかし、痛みを伝えると、看護婦さんから「普通は消灯の9時頃に皆さん頓服(痛み止め)を服用するので、我慢できるなら我慢した方がいいですよ」ということで、気合で限界まで我慢してみることにしました。
私は怖がりな性格ですが、痛みには強いほうです。
そんな私が、麻酔が切れはじめてから2時間の間、「冷や汗」と「悶え苦しむ」という悶絶級の痛みに耐えました。
しかし、あまりの痛さに意識が飛びそうになり「さすがに消灯まで我慢するのは無理だ!」と思い、再度ナースコール!
痛み止めをもらえ、服用してから30分後、痛みは一気に消えました。
後から冷静に考えると、我慢できるレベルとは「悶え苦しむ」レベルではないと思います。
もし皆さんが手術後に同じ状況になったら、早めに痛み止めをもらうことをおすすめします。
これが私がいぼ痔手術で経験した中で最も痛かった出来事です。
尿管を抜くときの痛みも想像以上
頓服をもらい、麻酔が切れたときの痛みから開放された約1時間後、看護婦さんが病室にやってきて、2つめの激痛体験です。
それが、尿管を抜く瞬間です。
看護婦さんによれば、麻酔が完全にきれてから尿管を抜くとかなり痛いので、完全に麻酔が切れる前に抜いちゃいましょう!とのことで、尿管を抜くことになりました。
手術前の情報収集では「尿管を抜くときは痛い」という記述は見当たりませんでした。
なので、麻酔が切れはじめて意識が飛びそうなほど我慢した痛みに比べれば大したことはないだろうと思っていましたが、それは大きな間違いでした。
尿管を抜かれた瞬間、イチモツの内部が擦れるような熱い感覚が広がり、1分ほど悶え苦しむレベルの痛みに襲われました。
男だからなのか?
頓服を服用していたにも関わらず、痛みはあまりにも強烈でした。
その後、消灯時間の9時になったので睡眠薬を服用し、気がつけば眠りについていました。
しかし、私は人の気配で目を覚ましやすいので、睡眠薬を飲んでいるにも関わらず、夜中の2時を過ぎた頃、見回りのために看護婦さんが来たときに目を覚ましてしまいました。
目を覚ましたついでに激痛で目を覚ますことがないよう、さらに痛み止めを服用しました。
これが手術当日の感想です。
いぼ痔の手術後の入院生活と痛み
さて、ここからは手術翌日から退院までの入院生活と、術後の痛みについてお話しします。
痛みは日を追うごとに軽くなり、行動範囲も広がっていきます。
術後1日目:ベッドの上で安静
手術を受けた翌日は、部屋の中や洗面所、トイレ以外への移動は禁止ということでした。
一日中、点滴をして歩き回ることが自由にできませんでしたが、テレビを見ることは許可されたので、のんびりとベッドの上で一日を過ごしました。
術後の肛門の痛みについて
- 静かにしてれば鎮痛剤(頓服)で我慢できる
- くしゃみ、おしっこの最後に肛門に力が入ると痛い
- 座ってテレビを見ると肛門に負担がかかり痛いので常に横になって生活
- 部屋、洗面、トイレくらいの移動でも肛門に負担がかかり痛い
診察について
- いきなり尻の穴に指を入れられるかと思ったが、手術の翌日の診察は、ガーゼ交換と患部の観察で終了
術後2日目:点滴片手に喫煙所
術後2日目になると、1日中点滴することがなくなります。
鎮痛剤で痛みが抑えられているから「痛みが軽くなっているから、タバコを吸いに行けるかも?」と考えてしまい、術後はじめて喫煙所まで遠出しました。
いま考えると「馬鹿だな~」と思います。
結果は冷や汗タラタラです。
病室は3階で、喫煙所は外の駐車場にあります。
行きは問題なくたどり着いたのですが、タバコを吸っている最中に肛門に違和感が広がり始め、タバコを半分くらい吸った頃には激痛に変わりました。
肛門にまだ力が入らないせいか、腸の重さが肛門にすべてかかっている様な痛みが出はじめ、1階の喫煙所から3階の病室へ戻る頃には、かなりヤバイ状況でした。
本当に愚かでした(T_T)
術後の肛門の痛みについて
- 1日目とほとんど変化なし
- 長時間の歩行(立っていること)はまだ無理
- お腹が張りはじめる
診察について
- 2日目の診察も、ガーゼ交換と患部の観察で終了
術後3日目:入浴(風呂)解禁
術後3日目になると、洗髪以外のお風呂が解禁されました。
なぜ洗髪のみ解禁されないのかが疑問でしたが、2日間も髪を洗っていないと気持ち悪いので、無視して私は洗髪もしました。
結果として、痛みがあるわけでもなく、なぜ「なぜ洗髪が禁止なの?」という疑問は解決しませんでした。
そして、はじめての入浴が「術後はじめて自分の肛門を触れる瞬間」でした。
もしかして腫れているのか?と恐る恐る触ってみたが腫れはまったく無く、手術前に飛び出ていたイボもツルっとキレイに無くなり、普通の肛門に感動です\(^o^)/
痛みが減ってきたこともあり、タバコ、院内の散歩が増えた。
術後の肛門の痛みについて
- 普段の生活では徐々に痛みが和らぎ始める
診察について
- 3日目の診察も、ガーゼ交換と患部の観察で終了
術後4日目:浣腸で初の排便
通常、ほとんどの人は3日目ごろに初めての便が出るらしいが、私はお腹が張り続けているのに4日目になっても排便がなく、看護婦さんの排便チェックで浣腸を勧められました(T_T)
排便により激痛が走ることは想像できるし、傷から血が出るのではという恐怖心から肛門に力が入ってしまい、トイレに行っても出ないのだと思います。
かなり迷いましたが、最終的には浣腸することにしました。
結果は予想通り、激痛でした。
排便時には2分ほどの間、激痛でトイレの中で動くことができず、じっと痛みが治まるのを待ち続けました。
やっと少し痛みが和らいだので病室に戻り、すぐに頓服を服用しました。
もちろん、初の排便では痔の出血とは比べ物にならないほど、便器が真っ赤に染まる出血がありました。
術後の肛門の痛みについて
- 普段の生活では痛みを感じることはほとんどなくなる
- 排便の痛みは激痛
診察について
- 4日目の診察も、ガーゼ交換と患部の観察で終了
ちなみに、喫煙所(タバコ場)の痔仲間と初便について会話をすると、傷の位置が違うので痔瘻の人は排便ではそれほど痛くないらしい。
いぼ痔の人は傷が肛門沿いにあるため、排便するときは痛いとのこと。
術後5~7日目:ほぼ喫煙所で生活
初めての排便の恐怖から解放され、普段の生活ではほとんど痛みを感じなくなったため、時間のほとんどを喫煙所で過ごすようになりました。
実は、今更ですが「タバコ場」と書いてた部分は、隠れて喫煙するための屋上のことです。
術後3日目に院内をブラブラしている時に、喫煙者たちが屋上でタバコを吸っている光景を目撃したのです。
その後は、院外までタバコを吸いに行かず、屋上で喫煙です。
喫煙者は屋上で、痔の話題でかなり盛り上がりました。
術後の肛門の痛みについて
- 長時間座っていると痛いが普段の生活では痛みを感じることはほとんどない
- 排便時の痛みも徐々に減っていく
診察について
- 5~7日目の診察も、ガーゼ交換と患部の観察で終了
- 7日目は血液検査があり入院中の薬の影響を確認
家田病院では定期的に「痔の勉強会」が開催されているため、この時期に参加してみました。
勉強会では、手術の映像や院長の講演などが行われ、自分がどんな手術をされたのかや、痔についての知識を深めることができました。
ついでに、いぼ痔だけでなく、切れ痔、痔瘻の手術シーンも見られました。
術後8日目:術後初の指診
8日目となり、退院が近づいてきました。
これまでの診察は「視診」のみだったけれど、この日は初めての「指診」が行われました。
予想通り、指による診察は激痛を伴いました。
診察は昼頃でしたが、頓服を服用しても指診のジンジンとした痛みが夕方まで続きました。
術後の肛門の痛みについて
- 普段の生活では痛みを感じることはほとんどない
- 排便と長時間座っているときは激痛ではないが痛い
診察について
- 術後はじめて、指針(※指)と肛門鏡診(※器具)
退院~通院期間:ダラダラ生活
ついに退院です!\(^o^)/
術後8日目を超えると、トイレや長時間座る以外では痛みを感じず、ほぼ普通の生活ができるようになります。
退院後の1か月は通院生活が待っています。
前半は週に1回の通院でしたが、後半は2週間に1回の頻度になりました。
私が入院した「家田病院」は自宅から遠かったため、1時間以上の運転は激痛で我慢できませんでした。
そのため、妻に送り迎えをお願いして横になって通院です(T_T)
それ以外はいたって元気です。
退院するときに医者からアルコールの摂取は控えるように言われていましたが、退院初日から飲んでいましたし、日中はゴロゴロしながらゲームをしたりテレビを見たりする生活を楽しんでいました。
まさに一ヶ月間、会社をズル休みしているような感覚です。
退院後の生活は、ゆったりとした時間を過ごすことができ、心身ともにリラックスできる日々でした。
以上が、私の痔が完治して復帰するまでの体験談です。
いぼ痔の再発を防ぐための生活
では最後に、私の現在の状況をお伝えします。
退院してから既に10年以上が経ちましたが、幸いにもイボ痔の再発はありません。
悩みのない生活を送っています。
あの苦しみを経験したことから、再び同じ状況になることは避けたいと思っています。
退院時にいただいた肛門治療と予防の10ヶ条を守りながら、日々の生活を過ごしています。
それでは、退院時にもらった「肛門病の治療と予防10ヶ条」を紹介して終わります。
肛門病の治療と予防10ヶ条
- 毎日風呂に入る
- おしりをきれいに
- 便秘は良くない
- 下痢も良くない
- トイレは、りきまず、ゆっくりと
- 腰を冷やさぬように
- 長く座ったままの仕事はよくない
- 長いドライブも良くない
- アルコール、コショウ、からしなどの刺激物はさける
- 間違った治療は禁物です
今後は、お尻が「うっ血」しないように、温泉巡りなどを趣味にしようかと思っています。
痔に効果のある温泉も多く存在しますし、温泉は、いずれの泉質でも自分の好きな温泉を楽しむだけでも痔には良さそうです。
ただし、患部が強く痛む場合は刺激の少ない単純温泉を選ぶことが良い様です。
ではまた。