昨年末から米国株への投資をはじめたことで近いうちに米ドルの配当金を受け取る可能性のある中、私がよく見るサイト「ZAI ONLINE」で気になる記事を見つけました。
ZAI ONLINEとは、私がたまに購入している雑誌「ダイヤモンドZAI」のオンラインサイトです。
その記事とは、米国株を特定口座(源泉徴収あり)を使って投資していたとしても、気をつけないと確定申告を漏らす可能性があるという内容でした。
私は確定申告などの煩わしい手続きを回避するために特定口座を選んだのに、再び面倒な手続きに巻き込まれる可能性があることに驚きました。
そこで、外貨建てMMFです。
この記事では、外貨建てMMFという商品の特徴や使うことにした理由、投資のキッカケなどをまとめています。
外貨建てMMF
外貨建てMMFとは、格付けの高い外貨建ての短期証券や国債などを中心に運用する安全性の高い投資信託の一種で、MMFは「Money Market Fund」の略です。
売買手数料は発生しませんが外国通貨建ての金融商品であるため、円から外貨、外貨から円に交換する際には為替手数料が必要となります。
また、外貨建てMMFは投資信託の一つであるため保有期間中には信託報酬もかかります。
さまざまな通貨を組み合わせることで国際分散投資が可能で、ドル建て、南アフリカランド、トルコリラなどの通貨から選択することができます。
外貨建てなので、為替や金利に大きく影響する商品となります。
NISA口座で投資はできる?
投資信託の一種なので新NISAでも投資をすることが出来そうですが、NISAの対象は公募株式投資信託のみであるため、外貨建てMMFのような公社債投資信託は対象外で投資ができません。
公募株式投資信託とは、不特定多数の投資家に向けて募集される投資信託の一種で、株式に投資することができるものです。
公社債とは、国や政府機関が発行する公債と企業が発行する社債とを合わもので、株式に一切投資しないで債券だけに投資する投資信託のことです。
もし、NISA口座を使って米国債などに投資したいなら「バンガード 超長期米国債 ETF(EDV)」などで投資となります。
円高→円安になる時の投資
外貨建てMMFは円高のときに購入し、円安になったとき売却すると為替差益による利益を得ることができます。
たとえば、1ドル=100円の時に100万円分購入し、1ドル=105円になったときに売却すると、分配金や税金、為替手数料を考慮せずに考えた場合、以下のような利益を得られます。
- 購入時:100万円÷100円=1万口
- 売却時:1万口×105円=105万円
5万円(※105万円-100万円)の利益という計算になります。
円安→円高になる時の投資
外貨建てMMFは外国の政策金利にも影響されるため、外国金利が高くなると魅力的です。
しかし最近、9月に早ければ米金利の引き下げがあると予想されている。
SBI証券で2024年07月24日時点での米ドルの利回りは、4.7%前後あります。
計算を簡単にするため外貨建てMMFの利回りを4%で計算し、たとえば、1ドル=104円の時に104万円分(1万口)購入して売却のときに円高が進行するとどうなるか?
分配金や税金、為替手数料を考慮せずに考えた場合、以下のようになります。
1年後に円安にも円高にも推移せず104円だった場合、元本1万口に対して4%の利回りなので400ドル増えて10,400口となります。
10,400口×104円=約108万円
もし、為替が円高になり円換算の評価額が目減りしたとしても、ある程度目減りを抑制できます。
1年後に100円の円高になった場合、元本1万口に対して4%の利回りなので400ドル増えて10,400口となるのは先ほどと同じですが、円高になったので円換算するとマイナスです。
10,400口×100円=約104万円
円高となると円換算での評価額が目減りするため注意が必要ですが、1年間で約4%程度の円高が進行したとしても、為替差益はほぼ相殺されプラスマイナスゼロとなります。
分配金や税金、為替手数料を考慮せずに考えた場合ですが...
外貨建てMMFの活用法
私が外貨建てMMFを使うキッカケになったことや活用法などについて触れます。
利用①:税金面での活用
まず、最初の外貨建てMMFを使うキッカケになったことは、私が米国株投資を始めたころに以下の記事を見て確定申告を漏らす可能性があるということからです。
米国株の取引きをすると、証券口座中で米ドルを保有することが必ずあります。
配当金を受け取ったり、外貨決済したりと。
そして、そのドルを口座内に放置し、円安に振れて1ドル=100円だった米ドルが120円になったときに日本円にすると、その利益が「為替差益」として雑所得になってしまいます。
私の場合、資産が少なく投資額もたいしたことないので、口座内の米ドルなんてしれています。
雑所得を含む給与以外の収入が20万円を超えるほど投資で利益を出すこともないため、スグに脱税とはならないけれど、今後のためには知っておくべきだと思います。
面倒な手続きをしたくないから特定口座(源泉徴収あり)で投資しているので、現在は米国株を買えないくらい少ない米ドルが配当金として入ったときや、中長期で使わない米ドルは外貨建てMMFで待機資産としています。
利用②:利回り面での活用
そして、2つめは利回りの高さで使い始めました。
私は過去、外貨取引でトラウマ級の経験をしています。
リーマンショックです。
リーマンショックで経験したのは、前日までプラスだった投資が一夜で借金を背負うほど下落...強制ロスカットも発動しないくらいです。
最終的に借金だけは免れましたが、いま思い出すだけでもゾッとします。
ただ、そんな経験をしても為替取引に興味がなくなったわけではなく、チャンスがあれば再度「FX以外で投資」をしたいと考えていました。
そして最近、刺激的?チャンス?だと「トルコリラ」に感じ、投資を始めることにしました。
税金などを考えなければ、現在のトルコリラは利回り40%以上なので有名な法則「72の法則」で計算すると72÷40.264≒1.788となり、2年未満で2倍に増える計算結果となります。
ただ、うまい話には裏がある!という言葉通りトルコリラの40%を越える利回りにも通貨価値下落という裏があるため、実際にはどのくらいのリターンになるか...
外貨建てMMFでは投資額以上に損失を被る(借金)ことはないので、通貨安と利回りの損益分岐点を注視しながら投資をしたいと思います。
私の外貨建てMMF利用口座
では最後に、私の投資で使う証券口座で少し違いがあるため、書いて終わります。
楽天証券
私が外貨建てMMFを最初に使い始めたのは「楽天証券」です。
2024年7月28日時点、楽天証券では3種類の外貨建てMMF(米ドル)を選ぶことができます。
ファンド | 年換算利回り |
---|---|
GS米ドルファンド | 4.737% |
日興USドルMMF | 4.745% |
楽天・米ドルMMF | 4.847% |
楽天証券の米ドル建てMMFはどれも、米国株式の直接買付や受取(外貨決済)にも対応しているので、使い勝手がSBI証券よりいいです。
外貨建てMMFを売却して約定するまで米ドルが使えないとなると、そのタイムラグが投資の機会損失となる可能性があります。
SBI証券
そして、SBI証券です。
2024年7月28日時点、SBI証券では4種類の外貨建てMMF(米ドル)を選ぶことができます。
ファンド | 年換算利回り |
---|---|
ゴールドマン・サックス | 4.729% |
ニッコウ・マネー・マーケット・ファン | 4.745% |
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト | 4.694% |
ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド | 4.859% |
楽天証券の米ドル建てMMFは米国株式の直接買付や受取(外貨決済)に対応していますが、SBI証券は対応していないので、個人的には残念な点です。
ただ、楽天証券とSBI証券で比べると、SBI証券で買うことができる「ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド」は現時点では利回りが一番です。
私は、新NISAが開始した2024年1月から投資銘柄によって口座を使い分けています。
そのため、現在ではSBI証券だけで外貨建てMMFへの投資をしています。
ではまた。