投資の基本は「長期・積立・分散」。
この3つを意識した投資は、リスクを抑えながら複利の力でリターンを狙える「王道の投資法」と言われています。
そんな王道と言われる投資法、レバレッジ銘柄でも効果があるのか?
私はこれまで、価格が下がった時に買い増す「ナンピン」でレバレッジ銘柄に投資をしてきました。
しかし最近、タイミングを気にせずコツコツ積み立てる「ツミレバ」に興味を持ち、自分の投資法と比べてどちらが良かったのか気になり、シミュレーションしてみることにしました。

この記事では、私が投資している大暴落中の「レバナス」で、これまでの「下落時のナンピン買い」か「コツコツ積み立てるツミレバ」か、どちらの結果が良かったのかを検証し、その結果と今後の投資の方法について紹介しています。
「ツミレバ」とは?
ツミレバとは、大和アセットマネージメント社が作った造語で、レバレッジ型の投資信託を使って積立投資を行う投資方法のことで、最近話題になっています。
通常の積立投資とは、一定の期間ごとに一定の金額で同じ銘柄を購入し続ける投資手法で、数か月から数年といった長期投資となります。
一方、レバレッジ型の投資信託は、「経費率の高さ」や「逓減・減価のリスク の影響」から、一般的には長期投資に向かないとされています。
では、そんなレバレッジファンドでも積立投資に向くのか?
ツミレバに向くファンド
レバレッジ投資をしている人ならわかると思いますが、レバレッジファンドには「苦手な相場」があります。
そのため、レバレッジファンドの積立投資をする場合、以下のような条件を満たすファンドを選んだ方が良いです。
- 信託報酬が高すぎない
- 投資対象が横ばいではなく動く
- 投資対象が長期的に右肩上がりに動く
私が選ぶファンド
ツミレバに向いているファンドの条件から、私が選んでいる投資対象は「米国指数(S&P500やNASDAQ100など)」です。
米国市場は、過去のデータから長期的に右肩上がりを続ける傾向が強く、ツミレバとの相性が良い投資対象です。
では、実際に私が投資している楽天レバナスでツミレバを行っていたら、どうなっていたのか?
その結果をシミュレーションしてみました。
「ツミレバ」シミュレーション
今回のシミュレーション対象は、私が楽天証券で投資している「楽天レバナス」(NASDAQ100指数連動型のレバレッジ投資信託)です。
私が楽天レバナスを初めて購入したのは2022年1月頃でした。
レバナスの基準価格は、2021年11月22日頃の高値から2022年末にかけて約64%下落しているので、私が投資を始めた頃から、ちょうど下落相場が続いていたという状況です。

そこで、私がこれまで行ってきた「ナンピン投資」の期間に合わせて、毎日一定額を積み立てる「ツミレバ投資」の成績を比較するシミュレーションを行いました。
シミュレーションの前提条件
楽天証券の特定口座では楽天レバナスを毎日積み立て設定できないため、今回は毎日スポット購入する前提でシミュレーションを行います。
- 投資対象:楽天レバナス(NASDAQ100指数連動型)
- 投資期間:2022年1月6日 ~ 2022年10月19日
- ナンピン投資:私の実際の投資実績
- ツミレバ投資:毎日、同額を積み立てた場合を想定
なお、楽天証券にこだわらない場合はSBI証券で毎日積み立てが可能ですが、SBI証券では楽天レバナスの取り扱いがないため、同じ値動きをするiFreeレバナスやauレバナスでの投資となります。
ツミレバの積立額の計算方法
今回のシミュレーションでは、投資期間(2022年1月6日~2022年10月19日)における総投資額を、投資可能な日数で割って一日当たりの積立額を算出しました。
- 総投資額:190,135円
- 積立日数:192日
- 1日あたりの積立額:990円
この条件で、ツミレバ投資を続けた場合の成績をナンピン投資と比較していきます。
実際のレバナス投資で検証
それでは、シミュレーション結果です。
検証はExcelを使って行いましたが、すべてのシミュレーション結果を掲載するとかなりの行数になるため、ここでは一部を抜粋して紹介します。
日付 | 基準価格 | ツミレバのシミュレーション | スポットによる実際の購入実績 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
投資額 | 口数合計 | 平均取得価格 | 投資額 | 口数合計 | 平均取得価格 | ||
2022/01/06 | 9,248.00 | 990 | 1,070 | 9,252.33 | 1,000 | 1,081 | 9,250.69 |
2022/01/07 | 9,239.00 | 990 | 2,141 | 9,248.01 | – | 1,081 | 9,250.69 |
2022/01/11 | 9,061.00 | 990 | 3,233 | 9,186.51 | – | 1,081 | 9,250.69 |
・・・ | |||||||
2022/10/18 | 4,079.00 | 990 | 323,768 | 5,840.29 | 948 | 313,541 | 5,808.96 |
2022/10/19 | 4,139.00 | 990 | 326,159 | 5,827.83 | 8,000 | 332,869 | 5,712.00 |
シミュレーションの最終日(2022年10月19日)の基準価格(4,139円)をもとに、時価評価額と損益を計算しました。
この結果、私のナンピン投資の方がツミレバよりも成績が良かったという意外な結果となりました。
ナンピン買いのタイミングが思ったよりも良く、平均取得価格を下げられたのが要因です。
時価評価額 | 損益額 | 利益最大時 | 損失最大時 | |
---|---|---|---|---|
レバナス「ナンピン」 | 137,774円 | -52,361 | 16,636円 | -62,458円 |
レバナス「ツミレバ」 | 134,997円 | -55,138 | 5,593円 | -65,508円 |
ツミレバ検証による私の結論
今回のシミュレーションではナンピンの方が良い結果でしたが、
- 購入タイミングの判断ミス
- 大幅下落時の精神的ショック
といったリスクを考えると、長期的にはツミレバの方が安定して続けられそうと感じました。
そのため、今後のレバレッジ銘柄への投資は「ツミレバ」をメインにしようと思います。
私のツミレバ投資(現在)
最後に、シミュレーションを経て最終的に残した「ツミレバ」投資について紹介して終わります。
すでに1年以上継続しているツミレバ投資ですが、最近始めたものも合わせて現在は3つの投資信託で運用中です。
ビッグテック10社のレバ投資

これは、FANG+(ファングプラス)指数にレバレッジをかけて投資するファンドです。
FANG+は米国のApple、Amazon、Googleなどのビッグテック10社で構成されており、最近は投資家の間でも人気の指数です。
個人的には、もう少し信託報酬が安いといいなと思いますが、とりあえずプラスで運用中です。
株と金の組合せでレバ投資

こちらは、米国指数(株式)と金(ゴールド)にレバレッジをかけて運用する投資信託です。
こちらの投資は「S&P500 × 金」と「NASDAQ100 × 金」があり、私はどちらにも投資中で、株と金の異なる値動きを活かせる点に魅力を感じています。
まだ投資期間が浅いので、もう少し様子見って感じです。
ではまた。