これまで、私は複数の証券会社で口座を開設して何気なく投資を行ってきましたが、2024年から新NISAが始まることから、各口座を投資内容に応じて使い分けることにしました。
現時点、複数口座で深く考えずに投資をしており、口座も特定口座のため確定申告していないため、その結果、損益通算されずに余計な税金を払ったり、米国株取引で受け取る小額の配当金が複数口座に分かれてしまい使い道に困るなど、かなり使い勝手が悪い状況です。
そんなことから、新NISAの始まる2024年1月までに余計な税金を払わず、管理もしやすい口座となるように整理を始めました。
この記事では、複数の口座を整理するために行った米国株式の移管(※楽天証券からSBI証券への移管)について、複数口座をどのように使い分けるのかや、移管手続きをしたときの体験談、移管後にわかった注意点などをまとめています。
これから米国株の移管を考えている方、参考になれば幸いです。
移管理由と複数口座の使い方
今回、私が米国株の移管を行うのは、楽天証券からSBI証券への移管です。
まず、なぜ米国株を移管しようと思ったのか、また移管後に複数口座をどのように活用していくのかについて、詳しくお話します。
SBI証券へ株式移管する理由
現在、私は楽天証券とSBI証券の2つの口座を使っています。
どちらも「源泉徴収ありの特定口座」のため、基本的には確定申告が不要です。
しかし、実際には複数口座の損益通算を活用すれば、余分な税金を支払わずに済むはずです。
ただ、これまでその手続きが面倒で行っていません。
そこで、新NISAが開始されるこの機に税金を余分に払わずに済むようにしたいと考えました。
これが移管を考えた一つ目の理由です。
もう一つの理由は、米国株の配当金(ドル)に関することです。
私が妻に内緒で行っている投資は小遣いの範囲内で行っているため、投資額や配当金は小額です。
現状、米国株への投資を楽天証券とSBI証券の2つで行っているため、配当金が各口座に少額で分かれてしまい、まとまった金額にならず株を買い足すことが難しい状況です。
そこで、複数口座で分散して受け取っている配当金(ドル)を一本化し、せめて欲しい米国株を1株でも購入できるようにしたいと考えました。
これが移管を決めた二つ目の理由です。
複数口座の使い分け方
移管後は、楽天証券とSBI証券の2つの口座をそれぞれの投資戦略に合わせて使い分けます。
楽天証券
楽天証券では、新NISAの口座を使って「コア投資」を行います。
NISAは「少額投資非課税制度」と言われる通り、非課税で投資できる口座です。
そのため、NISAの「つみたて投資枠」や「成長投資枠」で投資できる銘柄だけに限定した投資をすることで、損益通算を考えずに投資できるようになります。
これまで楽天証券の特定口座を使って投資していたレバレッジ銘柄などはSBI証券へ移管し、楽天証券は完全に「家計の投資口座」となります。
SBI証券
一方、SBI証券では、NISA口座で投資できない銘柄へ「サテライト投資」として行います。
SBI証券をサテライト投資用の口座に選んだ理由は、米国株や投資信託、外国株式の豊富な取り扱いが決め手です。
過去、楽天証券で取り扱いがない銘柄でも、SBI証券では購入できることが何度もあったので、取扱銘柄数は重要な要素の一つだと考えました。
ただ、楽天経済園で生活している私にとって、楽天証券は「配当金を円で受け取れる」とか「ポイント投資でSPUアップ」など、SBI証券にはない魅力も多く、非常に迷いました。
それでも最終的には「取扱銘柄数」が決め手となり、SBI証券を選択しました。
以上が、楽天証券からSBI証券に米国株式を移管する理由です。
それでは、さっそく移管手続きを行いましたので、その流れをご紹介します。
米国株式移管の流れ
今回、移管先のSBI証券でちょうど「米株入庫キャンペーン」が始まり、タイミングよく活用することができました。
このキャンペーンは、2023年9月1日(金)から2023年11月30日(木)まで実施され、SBI証券へ米国株式を移管(入庫)すると200ポイントがもらえるという内容です。
以前にも同様のキャンペーンがありましたが、そのときは移管する理由がなく、期限の直前に知ったこともあり参加できませんでした。
今回は情報をキャッチでき、タイミングもピッタリです。
では、私が今回移管する米国株式は楽天証券からSBI証券へ移管しますので、それぞれの証券会社での手続きがわかる様に説明していきたいと思います。
移管の流れは大まかに次の通りです。
- 移管する銘柄が移管先のSBI証券で取り扱っているか確認
- 移管元の楽天証券へ移管書類を請求
- 必要事項を記入して移管元の楽天証券へ移管書類を提出
- SBI証券へ入庫が完了
それでは、それぞれの手順について詳しく補足します。
移管先での銘柄確認
まず、移管先であるSBI証券が移管する銘柄を取り扱っているか確認する必要があります。
取り扱いがない銘柄は移管できません。
現在、私が保有している米国株式は以下の通りです。
証券会社 | 保有銘柄 |
---|---|
楽天証券 |
|
SBI証券 |
|
今回、楽天証券からSBI証券に移管する米国株式は「BITF」「SHIP」の2銘柄です。
SBI証券で確認したところ、どちらの銘柄も取り扱っているので手続きを進めます。
移管元の証券会社へ書類請求
移管する書類の請求は、移管元の楽天証券へ行います。
今後は、どれくらいの期間がかかるかを記録するため、日付をメモしていきます。
- 移管書類の請求日:2023.9.2
具体的な手順は以下です。
- 楽天証券にログイン後、「マイメニュー」を選択します
- 次に「移管・買取請求」をクリックします
- 米国株式のところにある「申込」をクリックします
- 移管・送付先の確認画面で「次へ」をクリックします
- 移管銘柄数の入力画面で移管銘柄数(※今回は2銘柄なので”2”)を入れて「次へ」をクリックします
- 最後に「書類請求」をクリックします
書類が届くのを待ちます。
必要事項を記入し書類を提出
楽天証券から「外国証券移管依頼書」が届いたら、必要事項を記入して提出します。
手続き完了までには、提出して通常2週間程度かかる様です。
書類は、楽天証券に移管書類を請求してから3営業日程度で届きましたが、時間が無かったため週末に記入し、専用の封筒に記入した「外国証券移管依頼書」と「本人確認書類」を同封して楽天証券宛に送りました。
- 移管書類の受取日:2023.9.6
- 移管書類の送付日:2023.9.9
記入する内容は、以下の項目(※上記書類画像の太枠箇所)です。
- 住所、氏名、連絡先、生年月日
- 楽天証券の部店コード、口座番号
- 移転先(SBI証券)の名義、口座番号
- 移管する外国証券のティッカーコード、銘柄名、銘柄数
移管する銘柄が2銘柄と少なかったので、記入は5分程度で完了しました。
個人口座のため、押印も不要です。
書類提出後、手続き完了までには約2週間かかるようです。
SBI証券への移管の完了
銘柄の移管は、一か月弱かかりました。
- 移管完了日:2023.10.13
しかし、いくつか問題?想定外?の出来事があったので、紹介します。
米国株を移管する時の注意点
今回、SBI証券に移管する米国株式は「BITF」「SHIP」の2銘柄でしたが、移管できたのは1銘柄「BITF」のみでした。
もう一つの銘柄「SHIP」はSBI証券側で受入不可と判断され、受け入れることができませんでした。
また、移管できた「BITF」も少しだけ想定外の出来事がありましたので、これから米国株を移管される方は、認識した上で移管された方が良いでしょう。
以下は、SBI証券への移管の場合に起きることなので、移管先がSBI証券以外の場合、証券会社で確認をされた方が良いでしょう。
また、SBI証券さんも今後、システム変更などされることがあるかもしれないので、最新の情報はSBI証券のサポートなどに問い合わせし、最新情報をご確認ください。
BITFの移管で起きた現象
SBI証券へ移管できた「BITF」ですが、SBI証券の保有銘柄として表示された内容を確認すると、外貨建評価額の値がおかしい値になっていました。
移管する前に楽天証券で表示されていた外貨建評価額は大きくマイナスだったのに、SBI証券へ移管した後は外貨建評価額が+528.00と表示されており、かなり利益が出ている表示となっていました。
そのため、SBI証券のサポートへ問い合わせを行いました。
すると、以下のような回答です。
要は、入庫で外貨の取得単価は引き継がないから、0円で計算されますよ!ってことらしいです。
他の証券会社も同様なのか?と思い、楽天証券を調べてみると以下でした。
外貨表示については下記となります。
2021年12月27日以降に他社特定口座から当社特定口座へ入庫された株式の入庫単価(外貨取得価額)は、移管元での取得日(受渡日)における当社が定めるレートの仲値を基に算出しているため、実際の移管元での外貨取得価額と相違する場合があります。そのため、当社で購入された株式と他社からの移管された株式がある場合は平均取得価額の外貨表示の値が正しく表示されない場合があります。また、2021年12月24日以前の移管分の外貨取得価額の表記は「0ドル」となります。楽天証券より
もし「他の証券会社→楽天証券への移管」であれば、現在は多少誤差はあるにせよ、楽天証券が定めるレートで近い価格を表示してくれるということです。
楽天証券だったらSBI証券のように以下のような表示にはならないと思います。
こういう所で、SBI証券より楽天証券に初心者への優しさを感じます。
ちなみに、少しだけ補足しておきますと、先ほどの画像で取得単価が0円ではなく0.08円になっているのは、移管が完了する前に少しだけSBI証券でBITFを買ったので、その分の単価だけ正常に反映されているからです。
SHIPが受入不可だった理由
そしてもう一つの銘柄「SHIP」ですが、SBI証券側で受入不可と判断されて移管できませんでした。
移管元である楽天証券さんから、以下のメールが届きました。
移管の申請時にSBI証券で取り扱いしている銘柄なのかを確認していたので問題なく移管できるはずだと思っていました。
問い合わせをしましたが明確な回答がなく、その後にSBI証券のチャットで何度か聞いてみた結果、以下の点が受入不可と判断された理由だと思われます。
米国株式の場合「Micro Cap Stock」に該当しない。
SHIPは移管するタイミングでは5ドル台の株だったので、Micro Cap Stockに該当したことで移管できなかったようです。
追記:BITFの単価について
単価表示がおかしかったBITFについて、入庫した分の株を売却してSBI証券に移管後に購入した株だけになるので、外貨建評価額が正しくなるのではと思っていたが正しくならず、疑問に思い問い合わせをしてみた結果、わかったことがあり追記。
問い合わせは、ある米国株を以下のような取引をした想定例で行いました。
SBI証券へ600株入庫(平均取得単価1ドル)
↓
SBI証券で800株購入(平均購入価格2ドル)
入庫後に800株購入して、合計1,400株になった。
その後700株を売却すると、他の証券会社から入庫した株はすべて売却されているので、外貨建評価額が正しくなるのでは?と思ったが、以下のような計算をしていることから正しくならないことが判明。
サポートからの回答まとめ
一度、全売却しないと正しく計算されません。
計算の方法としては、0円(入庫分)+購入価格2ドル=2ドル÷1400株(保有株数)=取得単価となります。 追加で購入した際の再計算は、ここからさらに追加で購入した場合に行われます。 例えば、購入価格1ドルで追加購入した場合、計算式は以下になります。 (先ほどの取得単価×保有株数)+購入価格1ドル÷追加分を含めた保有株数=取得単価になります。 最初に計算した取得単価を参考に、追加分を合算して平均化することとなります。
サポートからの回答まとめ
追加で、売却される順番や円換算の考え方についても聞いてみた結果、以下の回答あり。
当社では、システム上の仕様、「先入れ先出し」方法とさせていただいております。 したがいまして、保有されている複数単位株式の一部を売却されました場合は、お預りの古いものから順に引き出されます。 なお、株式を指定してご売却いただくことはできません。
サポートからの回答まとめ
追加で、売却される順番や円換算の考え方「円換算評価損益の計算で使われる参考単価(円)に関しては、入庫時の円換算単価が引き継がれているという考え方で、外貨の損益は間違った金額が表示されているが、円の損益はあっているということでしょうか?」と聞いてみた結果、以下の回答あり。
お客様のご認識の通りでございます。
問い合わせに付き合っていただいたので、お礼を言って終了です。
モヤモヤしていた点が、かなりスッキリしました。
最後に
私の場合、楽天証券からSBI証券への米国株式移管では、移管手数料が無料なので申請の必要はありませんでしたが、もし移管手数料がかかってしまったときは、現在、SBI証券はキャンペーン中で移管手数料を全額キャッシュバックしてくれますので、申し込みを。
楽天証券 : 料金について / その他手数料 (rakuten-sec.co.jp)
移管手数料がかかるのかは移管する資産や証券会社により異なるので、資産を移管するときは移管元の証券会社と移管先の証券会社で確認することをおススメします。
最終的に年末までに移管が無事に済めば、2024年から始まる新しいNISAでの複数口座の使いわけもスッキリしそうなので、焦らずにやっていこうと思います。
ではまた。
そこで、本記事の米国株式の投資です。
そんなとき、SBI証券で「米株入庫キャンペーン」が始まったので、この機会に米国株式をSBI証券に一本化しようと決断しました。
米国株式の移管は1ヶ月くらいかかる様なので、記事を書きながら移管を進めたいと思いますので、その点はあしからず。
楽天証券からSBI証券への移管を考えている方、参考になればと思います。