米国のビックテック企業のひとつ「Tesla Inc.(テスラ)」。
これまではテンバガーを狙える小型の米国株を中心に投資してきましたが、最近はGAFAMやFANG+指数に含まれる大型株にも関心があります。
ただ、大手企業ならではの安定感に惹かれる一方、物足りなさも感じます。
そこで、普通株式(NASDAQ:TSLA)に2倍のレバレッジを効かせたETF「TSLL」へ投資することにしました。

この記事では、テスラ株に2倍のレバレッジをかけて投資できるETF「TSLL」について、投資を決めた理由や銘柄の特徴について備忘録としてまとめています。
テスラ株の2倍レバ「TSLL」
テスラ(TSLA)は2003年に設立され、最高経営責任者(CEO)はイーロン・マスク氏です。
マスク氏といえばその名を知らない人がいないほど有名で、航空宇宙メーカーの「スペースX(SpaceX)」、太陽光発電事業の「ソーラーシティ(SolarCity)」、人工知能企業の「xAI」、脳-コンピュータインターフェース技術の「ニューラリンク(Neuralink)」、トンネル掘削技術の「ボーリング・カンパニー(The Boring Company)」など、再生可能エネルギーからロケット打ち上げまで様々な分野で先端を行き、事業を成功しています。
テスラは、主に電気自動車(EV)の製造と販売をする会社で、本社はテキサス州オースティンにあります。
TSLLは、そんなテスラ(NASDAQ:TSLA)の普通株式の値動きに2倍で連動するETFで、運用は2022年8月9日に開始されました。
※以下の情報は2024年10月19日時点のものです。
ETFのファンド概要
TSLLは、正式名称「Direxionデイリー・テスラ株ブル2倍ETF (Direxion Daily TSLA Bull 2X Shares)」という上場投資信託です。
特徴的なのは、テスラという単一の銘柄にレバレッジ投資できる点です。
私がこれまで投資をしてきたような複数の企業の株価に連動する「詰め合わせパック」的な指数連動型ETFとは違い、テスラの株価だけに連動させてレバレッジ投資できるETFです。
基準価格と純資産額
現在、テスラ(TSLA)の普通株式の基準価格は220.70ドルで、2倍連動するETF「TSLL」の基準価格は9.62ドルとなっています。
テスラ(TSLA)の株価は過去1年間で大きな変動があり、52週間の最高値が271ドル、最低値が138.8025ドルと幅広いレンジで推移しています。
ボラティリティが高い銘柄として知られています。
また、2倍レバレッジETF「TSLL」の純資産額は約2,340百万ドルに達しています。
さらに、TSLLとは逆方向の値動きをするインバース型「TSLS」も存在します。
こちらはベア1倍のETFで、テスラ株の下落局面で利益を狙いたいときに選択肢となります。
最新情報は、以下のリンクからご確認ください。
Tesla Single-Stock Leveraged ETFs | Direxion | TSLL TSLS
GAFAMとの値動きの比較
参考までに、GAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)の企業の過去10年にわたる値動きを比較すると、以下のような推移となっています。
GAFAMの株は比較的安定した成長をして変動も穏やかですが、テスラの株はボラティリティが非常に高く、激しい変動をすることが確認できます。
このような価格変動の大きいテスラ株に対して2倍のレバレッジをかける投資なので、タイミング次第で大きなリターンを期待できそうです。
もちろん、リスクも伴いますが。
分配金と経費率
普通株式である「TSLA」は配当金を出さない無配株ですが、2倍レバレッジの「TSLL」では年4回(3月、6月、9月、12月)の分配金が支払われます。
直近の分配金実績は0.0802ドルで、分配金利回りは3.79%となっています。
具体的な分配金の支払日は以下の通りです
日付 | 分配金(ドル) |
---|---|
2024.09.24 | 0.0802 |
2024.06.25 | 0.0817 |
2024.03.19 | 0.0788 |
過去の年間合計配当金は以下でした。
- 2023年:0.6369ドル
- 2022年:0.0982ドル
経費率についても触れておきます。
人気の米国ETFである「VOO」の0.03%や「SPYD」の0.07%に対し、TSLLの経費率は0.86%とかなり高めです。
普通株式「TSLA]の目標株価
現時点でテスラの12か月後の目標株価は以下のように予測されています。
- 最安値:38ドル
- 平均値:215.55ドル
- 最高値:400ドル
現在の株価が215.55ドルなので、予想平均値付近で推移しています。
最新の情報については、以下のリンクで確認できます。
TSLAとTSLLの値動き比較
個別株に2倍のレバレッジで投資できる「TSLL」について、短期投資として利用するか、中長期で利用するか迷っていました。
そのため、TSLAとTSLLの値動きを比較してみることにしました。
まずは、2年という中期で投資した場合のリターンを見てみます。
青が「TSLL」で、赤が個別株「TSLA」ですが、残念ながら青のTSLLが赤のTSLAを上回ることはありませんでした。
そこで、直近半年の期間でリターンを比較したところ、TSLLは短期向きの銘柄だと感じました。
この過去2年と半年の推移から、私は大きく下げたタイミングで買いを入れ、ツーバガーを目安に売却するスタイルで利用することにしました。
TSLLとTSLRの比較
さらに、TSLLへの投資を決めて以来、SBI証券では米国個別株式ブル・ベアETFが続々と取り扱いされるようになりました。
その中で、テスラ(TSLA)に2倍レバレッジ投資できる新たなETF「TSLR」が、2023年6月28日より開始されました。
そこで、TSLLとTSLRの違いを比較し、今後どちらのETFに投資すべきか、またはTSLLからTSLRに乗り換えるべきかを考えてみます。
基本情報
2024年10月20日時点の証券口座情報をもとに比較します。
TSLL | TSLR | |
---|---|---|
運用会社 | Direxion | GraniteShares |
運用会社(日本語名) | ディレクシオン | グラナイトシェアーズ |
運用開始 | 2022/08/09 | 2023/08/21 |
基準価額(米ドル) | 9.62 | |
純資産総額(百万米ドル) | 2,340.40 | 79.09 |
経費率 | 0.86% | 1.5% |
分配金回数/年 | 4 | 1 |
直近分配金(米ドル) | 0.0802 | – |
分配金利回り | 3.79% | – |
現時点でTSLRは分配金がなく利回比較をできませんが、経費率はTSLLの方が低く、投資コストの面で有利です。
基準価格の騰落率
2024年10月20日での両ETFの騰落率を比較すると、以下のようになっています。
TSLL | TSLR | |
---|---|---|
騰落率(1ヵ月) | -8.69% | -8.56% |
騰落率(3ヵ月) | -30.38% | -29.55% |
騰落率(6ヵ月) | 57.92% | 59.38% |
騰落率(9ヵ月) | -13.71% | -24.95% |
騰落率(1年) | -35.31% | -47.45% |
短期的にはTSLRのパフォーマンスがわずかに高いですが、過去1年ではTSLLの方が優れています。
TSLLは半年前にレバレッジを1.5倍から2倍に変更しており、TSLRは運用開始からまだ1年しか経っていません。
もう少し長期的に両者の動向を監視していくつもりです。
とりあえず、経費率が低いTSLLでの投資を考えています。
TSLLの投資状況
では、私のTSLLの投資状況も軽く紹介します。
最初の投資
TSLLへ投資を始めたキッカケは、テスラが年初から約29%下落していた12日から、さらに翌日4.5%下落したことでした。
トータルで年初から30%以上の下落となっていました。
直近の大きな下落の理由は、ウェルズ・ファーゴがテスラの投資判断を「アンダーウエート」に引き下げ、目標株価が200ドルから120ドルに下げられたことが影響しているようです。
ただ、私はテスラがこのまま下げ続けるとは考えず、そろそろ下げ止まるのではと思っていました。
また、短期で急激に下がったため、少し戻すかもしれないという考えから、3月14日に30株を7.4ドルで投資を開始しました。
潰れないだろうという思いと最近の大きな下落から買っていい頃合いだと感じて #テスラ への投資をはじめました💰もちろんレバレッジをかけた $TSLL への参入です🥶🥶🥶あとは少しだけ $BITF の追加投資です。最近、#ビットコイン 価格は上げている📈のに、関連銘柄は連動しない感じが不安ですが... pic.twitter.com/j7GT86VqF7
— 週末限定主夫@レバナス民 (@weekend_papa) March 14, 2024
評価益が50%を超えたら売却を考えています。
レバレッジを引き上げ
TSLLは1.5倍のレバレッジでしたが、Direxionが2024年4月2日よりレバレッジを引き上げ、2倍ブルのETFとなりました。
Direxion To Increase Exposure & Risk on Single Stock Leveraged ETFs
以下は、TSLLと同様に2倍レバレッジになったETFです。
ティッカー | 新ファンド名 | 対象の米国普通株式 |
---|---|---|
AAPU | Direxion Daily AAPL Bull 2X株 | アップル(NASDAQ:AAPL) |
AMZU | Direxion Daily AMZN Bull 2X株 | Amazon(NASDAQ: AMZN) |
GGLL | Direxion Daily GOOGL Bull 2X株 | Alphabet (NASDAQ: GOOGL) |
MSFU | Direxion Daily MSFT Bull 2X株 | マイクロソフト(NASDAQ:MSFT) |
NVDU | Direxion Daily NVDA Bull 2X株 | NVIDIA(NASDAQ: NVDA) |
TSLL | Direxion Daily TSLA Bull 2X株 | テスラ(NASDAQ:TSLA) |
半導体関連のNVDUは、かなり注目しています。
テスラの株価が9%下落
2024年10月11日(現地時間)、テスラ株が9%以上の下落となりました。
この影響で、一時は含み益が50%を超えていたTSLLも、大きく含み益が減少してしまいました。
テスラは自動運転タクシーの試作車「サイバーキャブ」を公開しましたが、その詳細が乏しかったために失望売りにつながったようです。
私が保有しているTSLLは、最初の投資から何度か追加購入しており、2024年10月20日現在の状況は以下の通りです。
- 保有数:140
- 平均取得単価:9.22ドル
- 外貨建て評価損益:+4.34%
現在、評価損益がプラスであることには安心感がありますが、TSLLはボラティリティが高いので、今後の動向を注視していきたいと思います。
スリーバガー達成!
前回のブログ記事更新から2か月が経ちました。
アメリカの大統領選挙でトランプ前大統領の当選が確定した後、テスラ株は250ドル付近から、12月15日時点で436.23ドルまで大きく上昇しました。
2倍レバレッジがかかった私の保有銘柄「TSLL」は、現在33.28ドルまで上昇し、ドルベースでの損益率は+260.95%、円ベースでは+264.29%となっています。
もちろん、このまま上昇し続けるとは思っていませんが、テスラはビットコインも保有している企業なので、ビットコインの価格動向も見ながら、来年の大統領就任後のテスラ株の値動きを注視し、売却のタイミングを検討したいと思っています。
まだプラスだが...
TSLL、まだプラスを維持していますが、「利食いに迷わば半手仕舞い」という格言が身にしみる展開となりました。

実は、前回ブログを更新したタイミングが、ちょうどピークだった模様。
トランプ米大統領との関係の近さから急騰したテスラ株、値上がり分が帳消しになった感じです。
要因に、最近のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動や言動がブランドイメージを落としている影響、販売不振などがある様です。
現在のTSLAの株価は292.98ドル。
TradingViewの目標株価は、
- 最安値:135ドル
- 平均値:379.13ドル
- 最高値:1,000ドル
となっています。
また、過去3か月のアナリスト評価(58人中)は、
- 強い買い・買い:27人
- 中立:17人
- 売り・強い売り:13人
となっています。
ただ、TSLLの平均取得価格は9.22ドルで、現在の株価は13.45ドル。
まだマイ転していないので、もう少し様子見するつもりです。