「最強」と言われるオルカンへ私と家族は数年間、つみたてNISAで投資をしてきました。
しかし、投資経験を積むにつれ、オルカン※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への投資に迷いが芽生え、新NISAの積立設定からオルカンを外すことにしました。
人気№1のオルカンを積立設定から外したにもかかわらず、引き続き投資を継続した銘柄もあります。
それは、オルカンと比較されることの多い「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
この記事では、なぜ「最強」と言われる「オルカン」ではなく「先進国株式インデックス」を選んだのか、投資信託「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と「オルカン」のリターン比較などを紹介します。
なお、この記事はあくまで私の個人的な考えであり、私の選択が正解であったかどうかは、投資のタイミングや状況により異なることをご理解ください。
私は他の人の投資経験を参考にし、肯定的な意見も否定的な意見もよく見るようにしています。
最終的な銘柄の選定は、自分自身が信じられる銘柄を見つけ、信じて投資することが長期投資を継続する秘訣だと思っています。
「最強」オルカンの三拍子
では、本題ではありませんが、少しだけ「オルカン」が「最強」だと言われる理由を書いて、その後に「先進国株式インデックス」投資について書いて行きます。
オルカンが最強と言われるのは「分散」「リターン」「コスト」の三拍子が揃っていることでしょう。
まず「分散」において、オルカンは世界中の株式に分散投資が可能で、初心者でも手軽に47ヵ国にわたる投資が行える点が大きな特徴です。
現在の投資比率は先進国23ヵ国が約90%(そのうち、5.5%は日本)、残りの10%が新興国24ヵ国に分かれています。※2024年1月19日現在の目論見書より
次に「リターン」について、オルカンは現時点で5年間のリターンが17.33%あり、堅実なリターンを実現しています。
そして「コスト」においても、eMAXIS Slimシリーズは業界最低水準の運用コストを目指すファンドシリーズです。
直近では、2023年9月8日からの信託報酬が年0.11330%(税込み)から年0.05775%に引き下げられ、低コストでの運用が可能です。
これらにより「最強」とオルカンは言われ、魅力的な投資先として選ばれているのだと思います。
なぜオルカン投資をやめたか
では、投資ランキング№1の「オルカン」への投資、なぜやめたのか?
上記の記事でも少し触れていますが、主な理由は投資比率の半分以上が米国に偏り(現時点での米国比率は62.3%)、新興国への投資比率が少ない点です。
リターンを度外視すれば、私の投資したい比率に比較的近いファンドは「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」ですが、全世界株式ファンドや新興国ファンドへの投資は私が投資したい国への比率が低く、特に「中国」の比率が高くなることから、オルカンや新興国インデックスという詰め合わせパックへの投資をやめることにしました。
私と妻の投資には多少の違いがあり、新NISAでは異なる銘柄への投資に分かれ、おかげでそれが家族内での分散投資になりました。
最終的に3つのファンドへの投資は、私は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のみへ投資することを選び、妻は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の両方へ投資することを選びました。
では、最後まで私も迷い、最終的に妻が選んだ「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」について私も少し調べたので、その情報をまとめます。
先進国株式インデックスとは
楽天証券で投資可能な先進国株式インデックスの中で、最も買付ランキングが上位のファンドが「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」です。
このファンドは、三菱UFJ国際投信が運用する投資信託で、低コストで日本を除く先進国株式に分散投資することが可能です。
それでは、全世界株式(オルカン)と先進国株式での投資判断したポイントなどを補足しながら、比較形式で紹介します。
先進国と全世界の基本情報
以下は、2024年1月22日時点での基本情報です。
※最新情報は公式サイトで確認願います
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
eMAXIS Slim 先進国株式 インデックス |
|
---|---|---|
投資対象 | 世界中の株式市場に分散投資 | 先進国に上場する株式に分散投資 |
運用指標 | MSCI オール・カントリー・ ワールド・インデックス |
MSCI コクサイ・インデックス |
管理費用(含む信託報酬) | 0.05775% | 0.09889% |
設定日(運用開始日) | 2018.10.31 | 2017.02.27 |
総資産額 | 21,337.07億円 | 6058.26億円 |
対象国・地域 | 先進国:23ヵ国・地域 新興国:24ヵ国・地域 ※計47ヵ国・地域 |
先進国:22ヵ国・地域 ※日本を含まない |
設定来高値 | 21,536円 (2024.01.19) | 26,053円 (2024.01.19) |
設定来安値 | 8,102円 (2020.03.24) | 9,110円 (2020.03.24) |
詳細は公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
どちらも信託報酬が0.1%以下と低く、運用期間も5年以上になるファンドです。
今回知りましたが、オルカンの方が後から運用が開始した様ですね。
先進国と全世界の対象国
投資の対象となる国・地域は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスも米国比率が高く、半分以上が米国への投資となります。
◆eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
◆eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
私は米国の経済が悪化すると世界経済も悪化すると考えているので、米国比率が高いことについては気にしていません。
ただし、他に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの米国100%のファンドへ投資するなら、全世界株式や先進国株式への投資は必要ないかもしれないとの考えがあります。
これが、私のオルカンへの投資をやめた理由です。
一方で、妻は昨年までの「つみたてNISA」の投資で、オルカンに比べてeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの運用実績が良かったことから、米国だけにたよる分散投資の一環として保有したいと考えているようです。
米国に対する考えは私に近いが、新興国に対する将来性への投資にはリスクを感じる様で、妻は先進国の国だけへ投資です。
ここが、私と妻の投資判断の違いとなりました。
先進国と全世界の組入上位
組み入れ上位の銘柄についても確認しました。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)もeMAXIS Slim 先進国株式インデックスも、どちらのファンドも組み入れ上位の銘柄がすべてアメリカの企業です。
上位 | 先進国株式インデックス | 全世界株式(オール・カントリー) | ||
---|---|---|---|---|
組入上位銘柄 | 比率 | 組入上位銘柄 | 比率 | |
1 | APPLE INC | 5.1% | APPLE INC | 4.5% |
2 | MICROSOFT CORP | 4.1% | MICROSOFT CORP | 4.0% |
3 | AMAZON.COM INC | 1.9% | AMAZON.COM INC | 2.1% |
4 | NVIDIA CORP | 1.3% | NVIDIA CORP | 1.7% |
5 | ALPHABET INC-CL A | 1.2% | ALPHABET INC-CL A | 1.5% |
6 | ALPHABET INC-CL C | 1.1% | META PLATFORMS | 1.1% |
7 | META PLATFORMS | 1.0% | TESLA INC | 0.9% |
8 | EXXON MOBIL CORP | 0.9% | UNITEDHEALTH GROUP INC | 0.8% |
9 | UNITEDHEALTH GROUP INC | 0.9% | ALPHABET INC-CL C | 0.8% |
10 | TESLA INC | 0.8% | ELI LILLY & CO | 0.8% |
上記から、先進国株式インデックスと全世界株式(オール・カントリー)では、1社を除いて同じ企業ばかりであることが分かります。
また、上位銘柄の占める割合についても、どちらも18%程度で大きな差がありません。
先進国と全世界のリターン
リターンについても確認してみました。
以下は直近3年~5年のパフォーマンスの比較です。
新型コロナのときも、その後も、先進国株式インデックスがオルカンのパフォーマンスを上回っています。
ファンド | リターン1年 | リターン3年 | リターン5年 |
---|---|---|---|
先進国株式インデックス | 37.36% | 20.20% | 19.18% |
全世界株式(オール・カントリー) | 33.91% | 17.34% | 17.33% |
ファンド | リスク1年 | リスク3年 | リスク5年 |
---|---|---|---|
先進国株式インデックス | 14.46% | 17.02% | 20.78% |
全世界株式(オール・カントリー) | 14.02% | 16.24% | 19.90% |
分散対象国、費用面、リターン総合的に考え、私もオルカンより「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」の方に投資をしたいと感じました。
先進国株式と一緒に投資しないファンド
分散投資はリスクマネジメントとして非常に重要な要素で、多くの人がいくつかのファンドに分散投資をしていると思います。
ここからは、あくまで私の考えとして聞いてください。
私は、eMAXIS Slim先進国株式インデックスに投資するなら、以下のファンドへの投資をしないように最近しています。
たとえば「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」には「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に含まれるアメリカ株式が含まれているため、同時に投資することにより、アメリカ株式に対する過剰なポジションを持つことになります。
同様の問題は、全世界株式ファンドにもあります。
米国が世界最大の経済大国であり、世界の株式市場の4割以上を占めているため、ほとんどの全世界株式ファンドは、米国の株式市場に偏っています。
つまり、eMAXIS Slim先進国株式インデックスと同時に投資する場合は、比率を調整して投資するか、どれか一つに投資する方が良いというのが考えです。
先進国投資(まとめ)
新しいNISAがはじまりました。
私は新NISAで、先進国、新興国を絞り、結局、全世界っぽく投資をすることにしました。
ではまた。